こどもとおとなのはなしあいin市議会議場~2024年度の提案は?
2024年9月7日(土)、立川市市議会議場で行われた「こどもとおとなのはなしあいin市議会議場」では、こどもたちから3件の提案発表がありました。
ここではその提案内容と質疑応答の模様などを紹介します。
※紹介は発表順です
チーム名:立川女子高等学校SDGirls 未来の女性チーム
提案タイトル:The future of working women-働く女性の未来について女子高生・女子大生・社会人の皆さんと一緒に―
提案内容
これから社会に出ていく女子高生、女子大生と、もう社会に出て働いている女性との意見交換をするイベントを行いたい。ゲストを招いての講演会とその後のグループワークを通して、働く女性たちと交流したい。
どんな制度を取り入れたら女性は働きやすくなるのか、いま働いている女性たちが苦労していること、問題だと感じていることは何かなど、このイベントで理解したことをまとめ、ポスターや立川市のインスタグラムなどで発信していきたいと考えている。
イベントの日程は2025年3月の土曜または日曜、会場は立川市役所の会議室を予定。
予算は、チラシ代4万円、飲食代1万円、講師代交通費2万円の計7万円。
女性が仕事を続けていくうえで、どんな点が大変なのか、良い制度があればそれをもっと周知させ活用してもらうことはできないのか…これから社会に出ていく女子高校生のリアルな問題意識から生まれた企画です。
聞き手のおとなからは、「とても良い企画だけど、ポスターやチラシを見て『私も参加しよう』と思う人は少ないのでは? 人から人に直接伝えていくのが有効だと思いますが、それをどうやってやるのか工夫が必要ですね」等、集客についての意見が出ました。
また、イベントの中心となる講演会について「ゲストとして想定している人は?」と聞かれると、「東京大学の上野千鶴子先生」とまさかの大物の名前が出て、会場がどよめきました。でもまずはチャレンジ! 「その熱意があれば伝わるかもしれない。まずは上野先生に思いをぶつけてみて」というアドバイスもありました。
チーム名:立川女子高等学校 SDGirls モルックチーム
提案タイトル:モルックから広がるみんなの輪
提案内容
年齢、性別、障害の壁を超えて多様性を認め合い、互いに理解を深めあうために「モルック」のイベントを開催したい。「モルック」はフィンランド発祥のスポーツで、2028年ロサンゼルス五輪の追加競技としても注目されている。
イベント終了後、日本モルック協会とコラボして東京都の木の廃材などを使ってモルックを作り、立川市の保育園、幼稚園、小中学校に配ってモルックの輪を広げたいと考えている。
イベントの日程は、2024年12月中旬ごろ、会場はグリーンスプリングスの芝生エリアを予定。
予算は、モルック代3万円、ポスター代1万円、軽食代1万円、講師料1〜2万円、会場代29万円。
このチームは昨年度、ジェンダー・LGBTQの講演会を実施しました。そのとき内容が難しく参加を躊躇してしまった人もいたのではないかという反省から、今回は“楽しめるイベント“を企画したそうです。
モルックの特性についてとてもよく調べていて、発表を聞いているだけで楽しさが伝わってきました。
参加者はチラシ、ポスター、SNSを使って集め、チーム編成はイベント当日に行う予定。
それに対しおとなからは「当日その場でチーム編成をするのは時間的に難しいのでは? それよりもあらかじめチーム単位で応募してもらうというのはどうでしょう」とアドバイスがありましたが、「(チーム単位での応募にすると)いろいろな世代の人と交流してもらいたいという私たちの目的と違ってしまうので…」とのこと。
ハードルは高いですが、「モルックはチームワークが必要なスポーツ。試合をしながらさまざまな年代の人とかかわりができます。最後にお菓子タイム、みんなでわきあいあいとしゃべれるような時間を設けようと思っています」という当初の希望がかなえられるようなやり方を模索してほしいと思います。
現状では会場費が高いのも懸念材料の一つ。
おとなたちからもいろいろアドバイスをもらったので、雨天でも実施できる室内にするなどの選択肢も考えて、場所探しができるといいですね。
イベント終了後に「モルックを手作りして、市内の保育園等に寄付する」というのは高評価でした。
これでモルックの輪がどんどん広がっていきそうです。
チーム名:ヒューマンボランティア部
提案タイトル:立川南口商店街謎解きイベント企画
提案内容
ヒューマンキャンパス高校は立川駅南口徒歩5分圏内に位置しているが、周辺ではシャッターが下りたままの店舗が目立つようになってきた。このような地域の状況を踏まえ、立川南口の良さを知ってもらいつつ、より活性化できないかという構想の下、「南口商店街謎解きイベント」を考えた。
立川市に住む地域の方々をターゲットとし、街を実際に歩くことで南口商店街への理解、関心が深まることを目的としている。
参加人数は、自分たちが無理なく実施できるよう「先着200人限定」とし、日程は3月1日または15日を予定。
予算は、印刷費1万7,759円、景品日9万7,500円、リストバンド1万円、運営Tシャツ8万円、保険料1万2,900円、合計21万8,159円。
商店街を回遊する「謎解きイベント」の企画、この日までの準備もしっかりできていて、プレゼンも完璧な仕上がりでした。
参加者には紙のリストバンド、商店街のマップ、問題用紙、解答用紙などを配布し、柴崎町から錦町にかけていくつかのチェックポイントを回ってもらう形式にするそうです。
おとなからは「参加者限定200人、集めるのは大変ではないですか?」という質問が出ましたが、「商店街の方に相談したところ、近隣の3つの小学校を教えてもらい、そこにチラシを配ることにしました。そこから考えて200人という数字を出しました」と回答。
また、当日現場に配置するスタッフ40~50人については、同校の在校生だけでなく卒業生や近所の通信制高校にも協力を要請し、ほぼ見通しが立っているとか。
南口の商店街や社会福祉協議会の方々とも話が進んでいて、この日も立川南口商店街連合会の長井さん、立川南口西通り商店会の小澤さんが会場にかけつけてくださり、長井さんからは応援メッセージもいただきました。
最後に、ウドラ夢たち基金の新海副代表からアドバイスがありました。
・よく練られた計画だと思います。地元に貢献できるように景品は“お店で購入する“ということでしたが、景品はお店の人に(無料で)提供してもらって、チラシにお店の名前を書いてあげるようにしたらどうでしょう。そうすれば予算も圧縮できます
・立川観光コンベンション協会でもイベントのPRができるので、詳細が決まったらすぐに教えてください
・高校生と商店街が一緒になって地域を盛り上げるイベントをする、これはマスコミ各社にぜひ取材に来てもらいましょう。南口のPRになると思うので、ぜひ広報してくださいね。