こどもとおとなのはなしあいin市議会議場~2025年度の提案は?
2025年9月7日(日)、立川市市議会議場で行われた「こどもとおとなのはなしあいin市議会議場」では、こどもたちから3件の提案発表がありました。
ここではその提案内容と質疑応答の模様などを紹介します。
※紹介は発表順です
チーム名:ヒューマンキャンパス高等学校 ボランティア部
提案タイトル:街をくるっと うどらんどラリー
提案内容
昨年の“はなしあい”で採択されて実施した「立川南口商店街謎解きイベント」の経験(反省)を生かしたイベントを実施したい。
具体的には、イベント名を「街をくるっと うどらんどラリー」に変更、参加対象を「未就学児~中学生」として、柴崎中央公園に子ども向けの体験ブースを設ける。
そこでは、立川ダイス(バスケットボール)や立川アスレ(フットサル)など地元のプロスポーツチームに協力してもらうほか、お絵かき、工作、ハンドメイドのブースや0円マーケットなども実施予定。
予算は、景品代9万円、体験ブース関連4万円、スタッフお弁当代3万5000円、チラシなど印刷費3万円、装飾品、ラミネート等2万円、運営(行事保険)1万5000円、合計23万円。
昨年同様、大人顔負けのプレゼン資料を準備して臨んだヒューマンキャンパス高等学校ボランティア部。
昨年のイベント結果をきちんと検証し、今年は子ども向けに特化したイベントにしようということで、イベント名を変更したり、新しいキャラクターを作ったり、体験ブースを設置したりと、大幅にバージョンアップした企画内容を発表しました。
体験ブースの目的は、“子どもたちに自然や地域の良さを知ってもらい、「やってみたい」という気持ちや想像力を伸ばすこと”。
市内のプロスポーツチーム(立川ダイス、立川アスレ)との連携も考えるなど、昨年以上に中身が濃くて楽しめるイベントになりそうです。
質疑応答では、ウドラ夢たち基金の清水代表から「みんなからの“お願い”として『“うどらんど”という名前を使わせてほしい』というのが挙げられていましたが、それは自分たちで交渉してみましょう」との提案が。実は市議会議場に、“うどらんど”使用許可を出す張本人、ウドラの作家・まつおよういちさんがいらっしゃったのです。
そこで生徒たちが直接まつおさんにお願いすると、「はい、問題ありませんので使ってください」とその場で快諾してくださいました。
やった! これで一歩前進しましたね。
チーム名:立川市立第一小学校 一小連合
提案タイトル:立川クリーンイベント大作戦!
提案内容
「立川クリーンイベント大作戦!」は、みんなでゴミを拾うイベントで、立川市をきれいにしようとする企画。
なぜこのイベントを考えたかというと、自分たちが遊んでいる場所にポイ捨てゴミが多く、そこにカラスが大量発生していて、遊ぶたびに気を使っているから。
そして、立川市の人たちにも、ポイ捨てをすることがこんなに周りに迷惑をかけているということを実感してもらい、考えてほしいから。
ゴミ拾いのイベントは、ガニガラ広場、根川緑道、柴四西公園で行いたいと考えている。
ゴミ拾いの前に、「ポイ捨てはやめよう」という話をしてから出発する。
またポスターやチラシを作って近隣のスーパーなどに貼りたい。
参加人数は30人~100人を想定。
予算は、ポスター1000円、チラシ1000円、保険5000円、麦茶1万円、ビニール手袋300円、トング70本8000円、合計2万5300円。
直前に提案発表したヒューマンボランティア部のお兄さん、お姉さんの発表があまりに素晴らしくて、ちょっと萎縮してしまった一小連合のメンバー。
でもマイクに向かったら、大きな声で分かりやすく、しっかり発表することができました。
よくがんばりました!
聞き手のおとなからは「このイベント、多くの人に来てもらう工夫は?」「ゴミ拾いのトングはイベントの後どうする?」「みんなにこの活動を知ってもらうのにはどうすればいい?」などの質問が出ました。
ゴミ拾いイベントに参加してもらうのは、一小のお友達とその家族など。また近隣のお店や会社でもポスターを貼るなどの協力は得られそうです。
このゴミ拾い活動をたくさんの人に知ってもらうための広報については、「ゴミ拾いをしている様子を動画で撮って、立川市のホームページに載せてもらいたいです」と回答。
するとおとな側から、「その動画は、市役所の担当課の人に撮ってもらうといいのでは?」とのアドバイスをもらうことができました。
最後に、傍聴席で見学されていた一小の神田校長先生からも「この子どもたちの活動を全面的にバックアップしていきます!」と力強い言葉をいただきました。
みんなでゴミ拾いをして、遊び場をきれいにして、その動画を市のホームページに載せるという夢、実現できそうですね。
チーム名:立川市立第二小学校 代表委員会
提案タイトル:校舎にありがとうプロジェクト
提案内容
1929年に立川第一尋常小学校として開校、創立96周年を迎えた二小は、今年建て替えが始まり、今の校舎とお別れすることになる。
そこで校舎が取り壊される前に、二小のみんな、卒業生、先生、地域の人たちと大きな絵を描いて、約60年お世話になった校舎に感謝の気持ちを表し、今しかできない最後の思い出作りがしたいと考えた。
校舎に絵を描いたらその写真を撮って、新しい校舎の校長室に飾り、これから新しい校舎に入学してくるたくさんの人に知ってもらいたい。
絵を描くプロジェクトに参加する人数は150人くらいを予定、1月から2月の乾燥した時期に実施したい。
プロジェクトへの参加を呼び掛けるチラシやポスターも作りたい。
予算は、絵を描くのに必要なスクールガッシュ(絵具)のお金が約24万円、刷毛や写真に使うお金などが約3万円、合計27万円。
取り壊される校舎に感謝の気持ちを込めて、在校生、卒業生、先生、地域の人たちが一緒になって大きな絵を描く―。とても壮大なプロジェクトを提案した二小 代表委員会のメンバー。
絵は、体育館、廊下、教室に描く予定ですが、とくに体育館には、二小のマスコットキャラクター「にこりん」の大きな絵を描きたいのだとか。
そのほかの場所については、校内でアンケートを取って意見を聞いて、何を描くのか決めるそうです。
プレゼンテーションはとても上手にできて、おとなたちも感心しきりだったのですが、発表の最後に「(予算は)27万円です」と言うと、会場から思わず「高いなあ」という声が上がりました。
そして質疑応答でも、「この夢をかなえてあげたいけれど、『ウドラ夢たち基金』で全額出すのは難しいかな。金額をもう少し削ることは考えられますか?」との質問が…。
こどもたちはしばし考えて「絵を描く場所を減らせば…22万円くらいに…」。
考え抜いて出した答えだというのがひしひしと伝わってきました。
そこで、ウドラ夢たち基金の新海副代表が「二小の周りの地域の人たちは協力的な方が多いので、『(資金の)協力お願いします』って言ったらお金を少し出してくれるかもしれないですよ」とアドバイス。
さらに傍聴席で応援していた二小の松村校長先生からも、「子どもたちの思い、しっかり伝わりました。学校全体で協力して、地域の方を巻き込んだすてきなイベントにしたいと思います」と頼もしいエールが贈られました。
校長先生の後押しもあるし、周りのおとなの協力が得られれば何とかなりそうな予感がしますね。