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Activity活動紹介

夢をみつける遠足Vol.3
「アートな石田倉庫で こどもカメラマン体験」密着レポート

2025年12月6日(土)、ウドラ夢たち基金主催・夢をみつける遠足Vol.3「アートな石田倉庫で こどもカメラマン体験」が開催されました。
今回のイベントは、アーティストのアトリエが集まる石田倉庫(※)で、一眼レフのカメラを使って撮影をしたり、アーティストの仕事について話を聞いたりするというもの。
当日は、小学3年生から中学生まで10人の子どもとその保護者のみなさんが参加してくれました。
 

 

※石田倉庫とは

石田倉庫は、立川市富士見町にある石田産業有限会社の倉庫。石田産業は、もともと飛行機の部品を作る工場(立川機械製作所)として1927年(昭和2年)に設立されたが、戦後、工場は閉鎖され、1961年(昭和36年)、現社長・石田久也さんの父である石田隆一さんが井戸工事や地質調査を行う会社(石田産業有限会社)として再出発。やがて隆一さんは、立川市の米軍ハウスなどに集まってきた美大生やアーティストの卵たちの姿を見て、「その夢をかなえてあげたい」という思いを抱くようになり、1983年(昭和58年)ごろから、会社の倉庫をアトリエとして安い家賃でアーティストたちに貸し出すようになった。それから40年以上経った今でも、何人ものアーティストがこのアトリエで日夜制作に打ち込んでいる。現代美術の巨匠・川俣正さんや中村正人さんもこの石田倉庫のアトリエ出身。

イベントがスタート! 初めて一眼レフカメラに触れる子どもたち

受付時間の9:00少し前から、参加者のみなさんが集まり始めました。
子どもたちは、NO.5と書かれた建物の1階の受付でそれぞれのチーム名(A・B・C)と番号が書かれた紙、イベントのマニュアル、お土産などが入った袋を受け取り、チームごとのテーブルに着席。
保護者のみなさんは、席にはつかずに周りで見守ります。
同じチームになったのはどんな子かな? ここで初めて顔を合わせる子どもたちは、きょろきょろと周りを見たりして、ちょっと緊張している様子。

 

 

9:15 いよいよイベントがスタート。
ウドラ夢たち基金・新海きよみ副代表のごあいさつに続き、このイベントの講師で、カメラマン、デザイナー、編集者などさまざまな仕事をしている小林未央さん(以下、「みおさん」と表記)から、詳しいオリエンテーションがありました。
今日の大まかなスケジュール、注意事項の説明の後、一人一人に一眼レフカメラが貸し出され、みおさんが使い方をレクチャー。
さあ、初めて触れる一眼レフカメラで試し撮り!
最初はこわごわカメラに触っていた子どもも、少し説明を受けるとすぐにコツをつかんで使えるようになり、あちこちから軽快にシャッターを切る音が聞こえてきました。

 

 

さて、こちらが会場の石田倉庫。

 

 

本日のイベントの流れは以下の通り。
アトリエは上の図のNo.3、No.5、スロープ下の3カ所に分かれていて、Aチームは[No.5→No.3→スロープ下]、Bチームは[No.3→スロープ下→No.5]、Cチームは[スロープ下→No.5→No.3]の順番でアトリエを訪問していきます。
各チームにはナビゲーター(ウドラ夢たち基金のメンバー)が付いて、アトリエやアーティストについての簡単な説明を行います。
アトリエではアーティストの方々に話を聞き、取材をして、自分が「面白い!」「キレイ!」「いいな!」など何か感じたものを一眼レフカメラで撮影。
すべてのアトリエを回ったら、撮った写真の中で自分が一番好きなものを1枚だけ選びます。
その1枚をスタッフがプリントしてフレームに入れ、みんなの前でお渡し。子どもたちは、そこで自分の撮った写真について発表します。

 

 

オリエンテーションが終わった後、まずは全員で記念撮影。
今日お世話になるアーティストの方々も、写真に入ってくださいました。

 

 
 

アトリエでアーティストを取材! 写真を撮りまくる!

ここからはBチームに帯同してのレポートです。
BチームはまずNo.3と書かれた建物の1階へ。
 

 

最初に訪れたのは、金工・高井吉一さんのアトリエ。
ここでは小さなボールペンなどを作っているそうです。
子どもたちは金属を削る機械に興味しんしん。
高井さんが機械を動かすと、みんなが取り囲んでパシャパシャと写真を撮りました。

 

 

次は、同じフロアにある造形作家・浅田啓さんのアトリエ。
浅田さんは、スタジオジブリの作品などの制作も手掛けていますが、子どもたちは壁に掛けられたワイヤーで作った動物、昆虫に夢中になっていました。

 

 

この後、急な階段を上って2階へ。
こちらには、絵描き・伊藤寛子さん(作家不在で見学のみ)と葉画家・群馬直美さんのアトリエがあります。
伊藤さんのアトリエを見学してから、群馬さんのアトリエへ。

 

群馬さんの描く植物の絵は、繊細で精密で、本物みたい!
子どもたちも「どうやって描くのですか?」と驚くばかり。
絵だけでなく、筆や絵具などの画材にも心奪われていました。

 

 

この後は屋外、スロープ脇の壁画の前へ。
この壁画は、石田産業の前社長・石田高章さんの「コロナ禍に負けない絵を!」という依頼を受けて、石田倉庫のアーティストのみなさんが描いたもの。
カラフルな壁画が青空に映えてとっても美しい! 子どもたちはいろんな角度から写真を撮っていました。

 

 

そしてその脇には、戦前から使われているという電信柱も!

 

 

スロープ下には、金属造形・安東桂さん、彫刻・増井のはらさんのアトリエがあります。
安東さんのアトリエでは、バーナーを使って造形していく工程に、子どもたちが大興奮。
とくに炎の色が変わっていくのが面白かったようで、飽きることなく見続け、たくさん写真を撮っていました。

 

 

増井さんは“彫刻家”。でもその作品は、いわゆる彫刻のイメージとちょっと違います。
陶芸用の粘土を積み上げて形を作り、内側の粘土をかき出したり細かい部分を彫っていくという手法で作っているのだそうです。
その作品は人をモチーフにしたものが多く、見ていて楽しく、また考えさせられたりもします。

 

 

この後、No.5の建物に行く予定でしたが、ギター制作のバーナビー・ラルフさんがいらっしゃるということで、急遽、その工房を訪ねることに。
本業は大学の先生というバーナビーさんですが、趣味でギターを作っているのだとか。
自作のギターで弾き語りも披露してくださいました。
子どもたちもノリノリ!

 

 

続いてNo.5の建物へ。まず2階のアトリエから。
2階奥にあるのが、現代美術・茂井健司さんのアトリエ(作者不在、見学のみ)。
ここはまるで1つの作品を展示したギャラリーみたい。
水をイメージした部屋の真ん中に台があり、そこに人が立っている…不思議な空間でした。

 

 

そして、Painter/Artist のtonoharunaさんのアトリエへ。
ここは、昭和の住宅の茶の間のようで、いろいろなものが雑多に置いてあって、楽しさいっぱい。
子どもたちは一目でここが気に入ってしまい、隅から隅まで撮影しまくっていました。

 

 

最後に訪ねたのは、1階のAR,TEEʼ S(アーティーズ)のアトリエ。
AR,TEEʼ Sは、代表・伊藤卓義さんとアーティストでスタッフの福本壱美さんが、空間演出デザイン・施工などを行っています。
このアトリエでは福本さんが、「ウドラが出没する石田倉庫」の大きな絵を描いていました!

 

 

たくさん撮った写真の中から1枚だけ選ぶ!

こうして約2時間のアトリエ取材・撮影は、あっという間に終了。
11:45 再び、No.5棟1階のAR,TEEʼ Sのアトリエに集合して、一眼レフカメラで撮影した写真の中から、それぞれお気に入りの1枚を選ぶ作業に入ります。

ここでみんな悩みます。
どれにしよう。こっちの写真もいいけど、あっちの写真も好き…。
この2時間で200点以上の写真を撮った子どももいて、そこから1枚を選ぶのは本当に難しいことだったと思います。
お気に入りの1枚が決まった人はカメラのSDカードと選んだ写真の番号を書いた紙を提出して、お昼休憩に。
アトリエの一部スペースを貸していただき、お弁当を広げました。

 

 

アーティストのお話、そしてみんなでダンス!

13:00 再び、AR,TEEʼ Sさんのアトリエに集合して、「アーティストトーク」の時間がスタート。
AR,TEEʼ Sの伊藤卓義さんと福本壱美さん、群馬直美さん、安東桂さん、増井のはらさん、TONOHARUNAさんが集まりました。進行役は、みおさん。
それぞれ出身地や、どうやってアーティストになったのか、日々の制作でどんなことを考えているかなどを、子どもにも分かりやすく、そしてときにユーモアたっぷりに話してくださいました。

 

 

ここからは、群馬直美さん指導の下、みんなで「葉っぱのダンスー光合成ー」を踊ることに。
子どもたちだけでなく保護者もスタッフも全員参加です!
この「葉っぱのダンスー光合成ー」は、群馬さんが30年前に振り付けた葉っぱの成長を体の動きで表現したもので、葉っぱが光合成をしておいしい空気を作り出すように、みんなで踊って地球に良いエネルギーを届けよう!というものです。踊ってみると想像以上の運動でした。

 

みんなはどんな写真を撮ったのかな? 発表しよう!

そしてラストは、またAR,TEEʼ Sさんのアトリエに戻って、発表タイム。
それぞれが選んだ1枚の写真をフレームに収めたものを、講師のみおさんから手渡されます。
そして一人ずつ、その写真を選んだ理由を発表。みおさんから講評をもらいました。

 

 

こちらでは、みんなが撮ったたくさんの写真の中からみおさんが選んだ1枚と、その講評を紹介します。
夢をみつける遠足Vol.3「アートな石田倉庫で こどもカメラマン体験」密着レポート

 
 

子どもたちにとっては、生まれて初めてのアーティスト取材と、一眼レフカメラでの撮影。
物おじせずどんどん質問する子、恥ずかしがり屋でなかなか質問できない子…。
いろいろなタイプの子どもがいましたが、どの子もこの石田倉庫の空気感、アーティストの仕事の様子、作品の数々に夢中になって、真剣に撮影に取り組んでいた姿が印象的でした。
そして子どもたちは、おとなの目線では気づかないような小さな物、アーティストの表情、どこをどう切り取ったのか見当がつかない風景のひとこまなど、宝物のような写真をたくさん撮っていました。
付き添いの保護者のみなさんが、子どもと同じようにアトリエ見学を楽しんでいた姿も心に残りました。

 

学校の勉強とは違う体験ができた一日。
子どもたちはどんな夢をみつけてくれたでしょうか?
子どもたちの取材、撮影に真剣に向き合っていただいた、石田倉庫のアーティストの方々、ありがとうございました。

 

来年度の「夢をみつける遠足」もどうぞお楽しみに。

夢をみつける遠足vol.3「アートな石田倉庫で、こどもカメラマン体験」
協力:石田倉庫の住民のみなさん/石田産業有限会社/公益社団法人日本写真協会 atelier Mio
後援:立川市、立川市教育委員会