夢をみつける遠足Vol.3
「アートな石田倉庫で こどもカメラマン体験」 子どもたちが撮影した写真と講評
夢をみつける遠足Vol.3「アートな石田倉庫で こどもカメラマン体験」に参加してくれた10人の子どもたちの写真と、同イベントの講師、小林未央さんの講評をここで紹介します。

金工作家高井吉一さんのアトリエの作業机。(よく見ると右側に高井さんの腕が写っていて)さっきまでその椅子に座って作業をしていた高井さんが作業の手を止め、ふいに立ち上がりそのままの状態でフレームアウトした、その気配と余韻を感じます。

アーティーズの福本壱美さんのインスタレーション(その場で仕上げたアクリル画)。石田倉庫にやってきたウドラをイメージした大型作品を、アドバンスモード(トイカメラモード)で撮影。どこかノスタルジックでレトロな仕上がりになりました。

石田倉庫No.3の入り口の扉。倉庫のブルーの扉とグレーの壁の少し暗い画面に、紅葉した蔦がちょうどよいバランスでアクセントになっています。半分開いた扉の中はどんな世界が広がっているのでしょう。写真を見る人の好奇心を掻き立てる1枚。

造形作家の浅田啓さんのアトリエにて。暗い倉庫の中で、スポットライトで照らされた光と影のワイヤーアート。背景に写り込んでいる金属やワイヤーや部品、資材などの雑多なモノと、白い板の上に浮かび上がる作品との対比も面白く、現場感が伝わってきます。

やさしい眼差しを向けた被写体はギター職人のバーナビー・ラルフさん。サービス精神旺盛のお人柄がストレートに伝わってくるのは相手が子どもカメラマンだからこそ。下から見上げた角度になっているのも、大人では撮れない角度、子どもならではの目線です。

彫刻家の増井のはらさんの作品をズームで撮影した1枚。作品全体を撮るのではなく、その一部にフォーカスしたことで、焼き物(陶土)のあたたかみや質感が伝わってきます。作品の女性の表情もやわらかく感じ、浮遊感を感じる不思議な写真になりました。

アーティストtonoharunaさんの造形教室の子どもが創った積み木のオブジェ。真ん中の3つのパーツにフォーカスしたことでドラマチックな効果が生まれて、お城の中の三銃士が大きなツリーの前でなにか相談しているような物語が始まり、想像が膨らみます。

駐車場の壁に描かれた5名のアーティストによる壁画作品。さり気なく右に一人写真を撮影している子が写っていることで、この壁画のサイズがわかります。この子がいなければ、説明無しではこの作品が壁画だということも伝わらなかったかもしれません。

この電信柱は、東京大空襲の戦火をくぐり抜け、今もこの場所でお役目を果たしている木の電信柱です。向こう側には現代のコンクリート製のものが小さく写っています。トイカメラモードの色褪せたトーンで青空もくすみ、遠い記憶に今を投影した心象風景のよう。

銅板造形家安東桂さんのアトリエで、バーナーの火を使って金属を溶接する様子を見学。カメラマンはその様子にすっかり魅了されたようで、この炎をきちんと写真におさめたくて、いろんな角度でたくさん撮影していました。その中の渾身の1枚です。